最終更新日:2022/04/18

 雑誌論文を探すには

 

1.雑誌論文を読むメリット

Googleから集めた情報だけでレポートや卒業論文を書こうとしていませんか?

ちょっと待ってください。
その情報を書いた人は誰でしょうか?出所ははっきりしていますか?また、正しい情報なのでしょうか?

インターネットの検索エンジンは調べ物をするのにとても便利ですが、正しく役に立つ情報と、間違っていたりあやふやだったりする情報とが混じり合っています。
それを見極めるのはとても難しいことです。
さらに、検索エンジンで引ける情報には限界があり、昔の情報や本の中身まではほとんどわかりません。


「じゃあ、図書(ふつうの本)を探せば完璧!」


いえいえ、素晴らしいレポートや卒業論文を書くためには、図書だけでは足りません。

図書は重要な情報源ですが、1冊の本になるまでにかなり時間がかかっています。また、いったん出版されると、中身が新しくなることはそうそうありません。 改訂される場合でもかなりの時間(年数)がかかります。

一般に学術論文のサイクルは、

  • (1) 図書・雑誌に掲載された様々な論文や資料を調査
  • (2) (1)の内容を元に論文執筆
  • (3) 学術雑誌に投稿、専門家による査読を受ける(「査読制度」については『図書館情報学用語辞典』(図・参考:010.3/NI)をご覧ください)
  • (4) 査読を通過した論文のみが学術雑誌に掲載される
  • (5) 論文がある程度蓄積されると図書にまとめられる

そして、どの状態からでも常に(1)に戻ります。

 

雑誌の特徴は、同じタイトルのもとに、月1回というような一定のサイクルで続けて発行され、1冊の雑誌の中には複数の著者による複数の論文が掲載されているということです。

したがって、論文を書いてから掲載されるまでの時間は図書よりも短いため、新しい情報が手に入るということになります。また、雑誌に掲載されてもそれが後に図書になるとは限りません。

つまり雑誌でしか読めない論文もたくさんあるのです。

そして、基本的に図書では大きな書名から探します。そのため、第●章第●節に探している情報が載っていたとしてもなかなか探しにくい面があります。

一方、雑誌論文は、ある方法を使えば論文名から探せるので、あなたが求めている情報をピンポイントで発見しやすいという面を持っています。

2.雑誌論文を探すには

雑誌論文そのものを蔵書検索(OPAC)で探すことはできません。 蔵書検索(OPAC)でわかるのは、雑誌の何巻何号がどこにあるのかという情報です。

「じゃあ、どう探せばいいんだろう?」

自分のテーマに関係する雑誌論文に「どんなものがあるのか」「それは何という雑誌のどこに掲載されているのか」ということを探すには、これらの方法があります。

 

方法 (1)文献データベース

(2)冊子体

(紙で発行されたもの:主題別で本の形になった文献目録や雑誌の巻末の掲載論文一覧)

(3)引用・参考文献
利点
  • キーワードで検索できる。
  • 最新のデータを検索できる。
  • 一覧できる。
  • 特定分野の主要文献に関してあまり取りこぼしがない。
  • 昔からの蓄積がある。
  • イモヅル式に探せる。
  • 思いも寄らない文献を見つけることができる。
欠点
  • 世の中の全ての論文を網羅しているわけではない。
  • 検索の際、キーワードなので取りこぼしがある。
  • 古い文献が探せない。
  • 印刷・出版されるまでのタイムラグがあり多少遅い。
  • キーワードで検索して一覧することができない。
  • 雑誌名が省略されていることがある。
  • はじめに見た論文よりも新しいものは探せない。
CiNii(サイニィ)Research(日本の論文を探す)
  1. 中田易直編『近世日本対外関係文献目録』(刀水書房、1999) 図・参考:210.503/NA
  2. 雑誌「日本歴史」 566号(1995年) p131-:雑誌論文目録
引用(参照)文献リストの見方(pdf)

これらの方法で掲載されている雑誌名、年、巻号がわかれば、蔵書検索(OPAC)で学内にあるかないかを探すことができます。

  • 注意:蔵書検索(OPAC)ではタイトルに雑誌名を入力して検索してください。 年や巻号を入力すると検索できません。)

また、ここで紹介している例はほんの一部です。 他の文献データベースを使ってみたい場合は、図書館ホームページのデータベースで紹介していますので、活用してください。